|

説得評論集 〔新装版〕
|
|
 |
説得評論集 〔新装版〕
四六判・410頁
ISBN4-8315-0407-6 ISBN978-4-8315-0407-4
品切
1987 年発行
|
1919-31年間に執筆した評論からケインズ自身が編集した評論集。この期間は、第一次大戦の戦後処理問題とこれに続く世界大恐慌とで史上最大の混乱時代であった。ケインズは自らその渦中に身を置きながら次々と鋭い予言と説得を展開した。その中で一貫したテーマは、適切な組織を創りだし得るならば「今日すでに西方世界はこの経済問題を二次的な重要事の位置にまでひき下げることができる」(「はしがき」)という確信であった。この確信が「一般理論」を生み、それがまた第二次大戦後の指導理論となりえた根拠であるが、今日われわれは経済問題を、はたして後部座席に退ぞかせることに成功しているのか。彼の論旨を改めて読み直してみる必要があろう。またケインズは当時ロシヤのプリマ・バレリーナ、ロコポヴァと結婚し夫人の里帰りに伴って革命後のロシヤに行くのである。またケンブリッジ芸術劇場を経営するなど、彼の趣味の広さは、本書にもよく現れている。その意味で本書は、数多い彼の著作の中で最も一般向けの評論集となっている。主要目次●講和条約/ドイツの賠償能力/ヨーロッパのための諸提案/インフレとデフレ/1930年の大不況/金本位制への復帰/将来の通貨管理のための積極的提案/チャーチル氏の経済的帰結/金本位制の終焉/ロシア管見/共産主義者の信条とは何か/共産主義の生存力/自由放任の終焉/自由主義と労働党/未来/クリソルド/わが孫たちのための可能性。 |
|