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本居宣長の大東亜戦争
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本居宣長の大東亜戦争
A5判・272頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1242-0
C1021
2009 年発行
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「大東亜戦争」期に、軍国主義イデオロギーに利用されてきた本居宣長。宣長の著作に誤解が生じる仕組み、宣長が時局に利用され曲解されるシステム、宣長像の歪められるメカニズムを、同時代のアカデミズムのみならずジャーナリズムや教育現場でのありかたを解明することにより、近代宣長受容史の空白を埋める。
●目次● 序 論 本居宣長の大東亜戦争 一、近代宣長研究史の呪縛 二、大東亜戦争という名称 三、先行研究と本書の概要と意図 第一章 同時代思想としての国学(上)―幕末を経由して大東亜戦争期に至る 一、はじめに 二、幕末の尊王論 三、大東亜戦争期の国体論・皇国史観 四、攘夷論 五、知行合一説 六、武士道精神 七、おわりに 第二章 同時代思想としての国学(下)―日本精神論の流行と変容 一、はじめに 二、「日本精神」流行の契機 三、「日本精神」研究の源流 四、「日本精神」の教育と洗脳 五、日本精神論の変容 六、おわりに 第三章 近代宣長像の形成と変容(上)―「松坂の一夜」伝説の成立 一、はじめに 二、佐佐木信綱「松坂の一夜」の形成 三、教科書の中の「松坂の一夜」 四、紙芝居になった本居宣長 五、おわりに 第四章 近代宣長像の形成と変容(下)―敷島歌の解釈の変容 一、はじめに 二、同時代評価と本歌取り 三、誤読の歴史 四、誤読の是正 五、おわりに 第五章 宣長研究と時局(上)―序文に見る時局発言をめぐって 一、はじめに 二、一九四五年という境界 三、序文に見る時局意識①―郷土史家の宣長論考 四、序文に見る時局意識②―全国規模の宣長論考 五、序文に見る時局意識③―国学研究書 六、時局沈黙型の著書 七、おわりに 第六章 宣長研究と時局(下)―煽情的宣長論をめぐって 一、はじめに 二、蒲生俊文『本居宣長玉鉾百首論釈』 三、蓮田善明『本居宣長』 四、籔田尚一『本居宣長古道論―直毘霊評釈』 五、おわりに 第七章 学統観の変遷(上)―平田篤胤への継承性 一、はじめに 二、四大人観の確立と篤胤 三、明治維新再評価と篤胤 四、平田篤胤百年祭 五、おわりに 第八章 学統観の変遷(下)―徂徠学との関連 一、はじめに 二、宣長の認識 三、徂徠学継承説の形成 四、戦中の徂徠学継承説 五、おわりに 跋文 索引(人名・書名・事項) |
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