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これからの古典ブンガクのために 古典教材を考える |
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これからの古典ブンガクのために
四六判・144頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1275-8
C0091
2010 年発行
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古典」の定義に内包される問題に無自覚なまま進められる「古典教育」のなかで、どのように古典と向き合っていけばよいのか、現在中学校教科書に掲載されている代表的古典文学教材を取り上げ具体的に論ずる。
[主要目次] 序、「古典」を問いなおす―これからの国語教育のために― バター世代に古典は無理か/崩壊してしまった古典的教養/「古典」には権威がある…らしい/「国民的古典」の幻想/今、「教育改革」の中で 一、「物語の祖(おや)」ということ―『竹取物語』について その一― 定番の入門教材/『竹取物語』についての「常識」/なぜ「物語の祖(おや)」と呼ばれるのか/『竹取物語』と「かぐやひめ」/とりあえず『竹取物語』? 二、話型と「主題」―『竹取物語』について その二― 二つの話型/竹取の翁と羽衣説話/竹取の翁の「前身」/『竹取物語』の本質とは/チベットの『竹取物語』 三、「かぐやひめ」の禁忌―『竹取物語』について その三― 色好みたちの時代/難敵かぐや姫/色好みとしての帝/「おとのさま」と「かぐやひめ」/教科書にかかるバイアス 四、物語は増殖する―『平家物語』について その一― 『平家』といえば「無常観」?/『平家物語』の作者/伝承文芸としての『平家物語』/耳なし芳一と流布本/『平家物語』の多声的世界 五、敦盛と直実―『平家物語』について その二― 合戦前夜/直実の出自/教材「敦盛の最期」/直実の苦悩/直実のその後 六、扇の的―『平家物語』について その三― 扇の謎/義経と与一/与一の祈り/声による理解と観賞/変革期の文学 七、深川へ、そして、深川から―『おくのほそ道』について その一― 旅を栖(すみか)とする/漂泊の思い/芭蕉庵を譲る/句はどこの柱にかけられたのか/リアリズムの影 八、虚実を超えた詩的空間―『おくのほそ道』について その二― 「移るに」の誘惑/物語としての「おくのほそ道」/交錯する時間と空間/白河の関―芭蕉の詩的空間/『おくのほそ道』素龍本の成立 九、旅の終わりは旅の始まり―『おくのほそ道』について その三― 「折り返し点」のあと/陸奥(みちのく)の難路/市振へ―急ぎ足で立ち去る芭蕉/大垣―芭蕉を出迎える人々 十、西鶴も載っていた―『大晦日はあはぬ算用』― 習うことのない教材/中学生が読んでいた西鶴/「貧病の妙薬」が減ったり増えたり/行間―想像力を誘発する仕掛け/読むこと―文学の森を迷う楽しみ 附、『大晦日はあはぬ算用』(久保田万太郎訳) あとがき |
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