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思想と教育のメディア史 近世日本の知の伝達 |
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思想と教育のメディア史
A5判・336頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1290-1
C1037
2011 年発行
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学校を中心にとらえられた教育史像と、思想の独創性を機軸に構成された思想史像の両者をメディアの視点から相対化する。
●目次● はじめに
Ⅰ 貝原益軒の思想―教育・メディア・身体 第1章 近世における「気」の思想史・覚書―貝原益軒を中心に 一 「気」とは何か―儒学における「気」の概念 二 益軒の「気」の思想 三 「気」の思想に関わる若干の問題 四 「気」の思想史の可能性 第2章 「学術」の成立―益軒の道徳論と学問論 一 「理はこれ気の理なれば」 二 「天地に事へる」―道徳論の根拠 三 「事実の上に於いてす」 四 「わが志たるすぢ」―「術」の学 五 「術」の学 第3章 貝原益軒と出版メディア―『大学新疏』編纂と出版の努力 一 貝原益軒研究史 二 益軒の注釈作業 三 『大学集要』編纂について 四 『大学新疏』出版の努力 五 儒者とメディア 補論 益軒の『大学』解釈―「大学説」について 東アジア儒学に一周辺 「大学説」の特徴 第4章 教育システムのなかの身体―貝原益軒における学習 一 気の心身論 二 学習システムにおける身体 三 「礼」―身体の規律化 四 益軒における身体性の浮上 おわりに―朱子学の解体と身体
Ⅱ 「知の伝達」メディア史の試み 第5章 「教育のメディア史」の構想―「文字社会」と出版文化 一 「教育のメディア史」の可能性 二 一七世紀日本の「メディア革命」―「文字社会」の成立と出版文化 三 大量出版のメディア 四 「教育のメディア史」から見た近世と近代 第6章 思想のメディア史の構想 一 思想史研究の方法論と主題をめぐって 二 「知の伝達メディア」という視点 三 「東アジア思想史」の視点 四 素読と訓読漢文 第7章 素読の教育文化―テキストの身体化 一 一七世紀日本儒者の学問テキスト 二 和刻本の成立と儒学学習書の普及 三 儒学における学習課程 四 「知的言語」としての漢文 第8章 日本近世における「四書学」の展開と変容 一 「四書学」の成立―方法概念として 二 四書学の展開―科挙の学問 三 「集註」の経書化―四書学の固定化 四 一七世紀日本の四書学受容 五 明代四書学への対抗―山崎闇斎と崎門派 六 四書学の脱構築―伊藤仁斎 七 五経中心儒学の成立―荻生徂徠 八 儒学の普及―和刻本と学習書 九 一八世紀後半以後の四書学 第9章 マス・ローグの教説―石田梅岩と心学道話の「語り」 一 梅岩への視線と石門心学 二 梅岩学出現の意味 三 「講釈」から「道話」へ 四 道話の世界 五 道話の「語り」の特質 六 石門心学の位置―残された課題
Ⅲ 教育学と思想史の間 第10章 「江戸」への視線―日本教育史学の成立をめぐって 一 教育学の一領域として 二 教育史の叙述―師範学校教科書としての教育史 三 一九二九年―「日本教育史」の成立 四 三著作の動機―乙竹岩造・高橋俊乗・石川謙 五 教育史における「江戸」の発見 六 近代からの「語り」 第11章 「江戸」からの視線―「他者」としての「近代」 一 近代との「連続/非連続」の問題 二 「江戸」からの視線 三 学びの身体性 四 「教育のメディア史」の構想 第12章 荻生徂徠の習熟論と教化論―近世教育思想試論 一 学問・教育の方法―「物」への「習熟」 二 学問・教育論の特質 三 庶民教育(無用)論 第13章 教育の社会化と学習社会に向けて―歴史からの視点 一 近代学校の歴史的特性―近世との比較から 二 子育ての社会化 三 学校支援の体制構築―社会の教育力の結集 四 子どもの環境変化―マスメディアと学校 五 学習社会の時代へ 初出一覧 あとがき 索引
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