|
「愛の争闘」のジェンダー力学 岩野清と泡鳴の同棲・訴訟・思想 |
|
|
「愛の争闘」のジェンダー力学
A5判・400頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1346-5
C3021
2012 年発行
|
明治末から大正中期における女性の恋愛・婚姻をめぐる思想形成と両性関係に作用するジェンダー力学を岩野清・岩野泡鳴を素材に、その男女間の関係性を「女中」という女性たちの外部の存在からも照射する。
●目次● 序 章 一 問題設定 二 分析対象―なぜ岩野清・泡鳴なのか 三 先行研究整理 四 史料について 五 本研究の構成 第一章 「愛の争闘」の前史 第二章 「新しい女」をつくる男と女 はじめに 一 生い立ち 二 「生存競争場裡に立」つ―事務員から新聞記者へ 三 『二十世紀の婦人』への参加と治安警察法第五条改正運動 四 プラトニック・ラブと社会的地位の失墜 おわりに 第三章 セクシュアリティをめぐる攻防―『愛の争闘』の虚構性の検討を中心に― はじめに 一 性をめぐる「征服被征服」 二 フィクションとしての『愛の争闘』 三 夫婦間に性に付与された意味 おわりに 第四章 女性解放論のなかのジェンダー力学―経済的独立論を中心に― はじめに 一 『青鞜』期の女性論・恋愛論・結婚論 二 丸髷の「新しい女」の経済的独立論 おわりに 第五章 「争闘」の小説をめぐるジェンダー力学 はじめに 一 ”文学修行の場としての家庭” 二 「争闘」の小説 三 泡鳴と「新しい女」の小説/泡鳴の小説のなかの「新しい女」 おわりに 第六章 「家庭」のなかの階級―大正期フェミニストの「女中」雇用― はじめに 一 「女中」雇用の歴史 二 岩野家の「女中」雇用 三 フェミニスト「主婦」の社会的活動と「女中」 おわりに 第七章 恋愛結婚における妻の座―「新しい女」の同居請求訴訟― はじめに 一 「なぜ私は離婚しないか」 二 なぜ同居請求だったのか 三 男女問題の「革命者」―泡鳴の論理 四 法廷対決 五 判決について 六 社会の反応―「自由離婚」と妻の座の保護 七 別居後の思想の転回―結婚の永続性の強調 おわりに 第八章 経済的独立論と<妻・母の権利>のはざま―「新しい女」の扶養料請求訴訟― はじめに 一 同居請求訴訟以後―離婚請求か扶養料の請求か 二 裁判の概要―扶養料請求と経済的独立 三 六法全書を読む家族たち―家督相続をめぐる攻防 四 離婚時の子の帰属・扶養と都市中間層の離婚問題の浮上 五 清の沈黙が意味すること おわりに 終 章 一 「争闘」の消滅 二 結論 文献一覧 岩野清著作目録 岩野清・岩野泡鳴年譜 あとがき 索引 |
|