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神道思想史研究
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神道思想史研究
A5判・504頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1333-5
C3014
2013 年発行
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東アジアの周縁部にあって、強力な中国文明の辺境としてその影響下に存立することを余儀なくされた日本が生み出した「神道」という思想的営為の古代から近世までを概観する。
はじめに Ⅰ 古代 第一節 神のタタリ性―古代日本の神観念についての一考察 一 仏教伝来とタタリの問題 二 タタリ神としての大物主神 三 神の示現としてのタタリ 第二節 「建邦之神」考 一 「建邦之神」をめぐる諸説 二 「建邦之神」と記紀神話 三 百済の始祖神 四 「建邦之神」と「神宮」 第三節 『古事記』における伊勢神宮―天孫降臨条の解釈に関する一試論 一 登由宇気神の存在 二 記紀における相違点 三 天照大神降臨地としての伊勢 四 降臨神話の神々 五 神話的世界の投影 第四節 藤原氏の春日信仰における神事と仏事の関係について―『玉葉』の春日神事記事を中心として 一 兼実の春日信仰における神事と仏事の兼行と興福寺僧侶の役割 二 兼実の春日神事にみられる神仏の区別意識 三 藤原氏の春日信仰における僧尼禁忌観の変化とその時期 四 僧尼禁忌観の変化と本地垂迹思想 第五節 神仏習合と神仏隔離 一 神仏関係史の分析視角 二 伊勢神道の神仏関係 三 神宮寺と神前読経 四 八幡神と御霊信仰 五 本地垂迹思想の意義 六 神仏隔離意識の基盤 Ⅱ 中世 第一節 思想史の立場から見た中世神道 一 神道説興起の背景 二 神道の萌芽 三 神道の確立 第二節 『神皇正統記』における神道と儒教―「天命」の解釈をめぐって 一 神意と「天命」 二 神国・天皇・人間 三 神道と儒教 第三節 慈遍の神道論―仏神論を中心として 一 神道への傾斜 二 神道論の系譜 三 仏神論の構造 四 根葉花実論の意義 第四節 延徳密奏事件の一考察―「光物」との関連に於て 一 密奏事件の経緯 二 「光物」観の展開(一)―人魂・流星 三 「光物」観の展開(二)―神霊 四 密奏事件の意義 第五節 中世神道の天皇観 一 伊勢神道の天皇観 二 古代の天皇観 三 天皇観の変容と伊勢神道 四 吉田神道における神道と天皇 Ⅲ 近世 第一節 儒家神道における儒教摂取の思想と論理―羅山・延佳・惟足をめぐって 一 神仏習合から神儒一致へ 二 羅山・延佳・惟足の神道説 三 中世神道と儒家神道との差異 第二節 近世儒家神道の異端論 一 林羅山の異端論 二 吉川神道の異端論 三 垂加神道の異端論 第三節 林羅山の神道思想 一 神観念の概要 二 神観念と理気論の関係 三 神人関係における心の問題 四 羅山の神道思想の特質と意義 第四節 林羅山の神道思想と中世神道 一 中世神道の修学 二 古典尊重と学問の解放 三 『神道要語』にみる中世神道理解 四 中世神道における「道」の理解 五 羅山の神儒論と中世神道 六 羅山の「心」観と中世神道 第五節 吉川神道の死生観 一 垂加神道の「日之少宮伝」 二 吉川神道の秘伝における死生観 三 吉川神道の死生観の特色と意義 第六節 崎門学者・遊佐木斎の思想 一 仙台藩における文運の興隆と遊佐木斎 二 神儒兼学者木斎の誕生 三 木斎の神儒論 四 木斎の史論 五 木斎の神道思想 第七節 仙台藩の神道興隆と遊佐木斎 一 学問遍歴と闇斎との出会い 二 垂加神道への入門 三 跡部良顕と木斎 四 垂加神道秘伝の伝受 五 木斎の神道伝授 第八節 佐久間洞巌の式内社研究―仙台藩における式内社の伝承 一 近世の式内社研究 二 佐久間洞巌の人と学問 三 洞巌の式内社研究 四 洞巌の思想的系譜 第九節 宮城春意の学問と著述 一 宮城春意の人物像 二 『六根清浄大祓浅説』について 三 『神道大意演義』について 四 翻刻編 (一)底本と翻刻の方針 (二)翻刻『六根清浄大祓浅説』 (三)翻刻『神道大意演義』 おわりに 索引
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