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闘う吉本隆明 六〇年安保から七〇年安保へ |
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闘う吉本隆明
四六判・304頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1365-6
C1095
2013 年発行
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『吉本隆明の一九四〇年代』、『吉本隆明の戦後―一九五〇年代の軌跡』に続き吉本隆明の六〇年代のを描く。もっとも政治的実践にのめり込み、また、『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』などもっとも原理的に生産的な時期の吉本の思想をトレースする。
●目次● まえがき 第一章 韻律と喩 Ⅰ 「詩人論序説」―概念喩という概念 連音の効果/短歌の美/概念喩/『言語にとって美とはなにか』への展開 Ⅱ 「短歌的表現の問題」―現代短歌の考察1 短歌の原型/ヴァリエーション/現代短歌の喩法 Ⅲ 「短歌的喩について」―現代短歌の考察2 省略の美学/重層的な喩法/短歌喩/喩の自立 Ⅳ 「短歌的喩の展開」―現代短歌の考察3 原義の拡大、変形/呪文のような楽章/短歌的喩の極限 第二章 新しい批評の原理を求めて Ⅰ 「想像力派の批判」―新しい批評家たち 想像力派の登場/想像力の問題/サルトルの想像力論 Ⅱ 「「四季」派との関係」―伝統的自然観の再構成 丸山薫の「錨」/立原道造の「やがて秋……」/伊藤静雄の「わがひとに与ふる哀歌」 Ⅲ 「党生活者」批判 小林多喜二の「党生活者」/素材の珍しさ/政治主義的認識 Ⅳ 純文学と大衆文学 松本清張/事実主義の陥穽/野間宏『さいころの空』と堀田善衛『海鳴りの底から』 第三章 『言語にとって美とはなにか』 Ⅰ 言語の本質 執筆の動機/言語発達の段階/言語の意味/言語の価値/像と意味/言語表現 Ⅱ 転調 前半から後半へ/使用価値と交換価値/自己表出の拡がり/吉岡実の「牧歌」/自己表出の構造/サルトルの『想像力の問題』 第四章 政治思想の展開 Ⅰ 「戦後世代の政治思想」―ブントの政治思想 奥底の危機/安保反対運動の錯誤/石原慎太郎と大江健三郎/共産同(ブント)の立場/姫岡玲治 Ⅱ 「擬制の終焉」―安保闘争の意義 安保闘争の総括/六月一五日夜の出来事/花田清輝と竹内好/共産同と革共同の対立/黒田寛一批判/市民民主主義の運動/運動の今後/橋川文三の回想 第五章 安保闘争後一年 Ⅰ 「廃頽への誘い」―昼寝の季節 独立左翼の運動/党派の争い/学生活動家との対話/時代認識/大衆 Ⅱ 「現代学生論」―安保後の可能性 全学連との共闘/精神の闇屋/学生の落ちゆく先 Ⅲ 「花田清輝氏に一言」―逮捕の顛末 花田の皮肉/取り調べ 第六章 党派性批判の展開 Ⅰ 「混迷のなかの指標」―党派性と文学 前衛党という迷蒙/党員文学者の声明 Ⅱ 「反安保闘争の悪煽動について」―安保闘争の理念を守る 唐牛事件/田中清玄/兵士と将軍/唐牛らの三年 Ⅲ 「戦後思想の価値転換とは何か」―文化の左翼性 マルクスとマルクス主義/主体性論争と「近代文学」派/キューバ革命/大島渚批判 Ⅳ 「思想的弁護論」―六・一五事件の意味 六・一五事件の概要/弁護人にたいする批判/検察官にたいする反論 第七章 埴谷雄高論 Ⅰ 『死霊』読解 『純粋理性批判』の衝撃/三輪与志と岸博士/黒川健吉と首猛夫 Ⅱ 永久革命者―政治論文 レーニンの革命概念/埴谷の革命概念/埴谷の政治思想/永久革命者の悲哀 Ⅲ 「埴谷雄高の軌跡と夢想」―スターリン批判 埴谷の原点/安保闘争と人工衛星/夢想家の逆説 Ⅳ 「埴谷雄高への公開状」―批判 後援会長就任/政治と文学の問題/埴谷雄高の破綻 第八章 『試行』刊行 Ⅰ 創刊一周年まで 創刊まで/雑誌によるネットワーク/自立のための方策 Ⅱ 単独編集へ 刊行二年目/単独編集 第九章 丸山真男研究 Ⅰ 「日本のナショナリズムについて」 近世国学の系譜/後発資本主義国の課題 Ⅱ 丸山真男の戦争体験 本格的な丸山批判/皇軍の残虐行為/仮構の大衆 Ⅲ 『日本政治思想史研究』批判 朱子学の解体/素行と仁斎/政治学の成立―荻生徂徠1/思想的契機の欠落―荻生徂徠2 Ⅳ ファシズム論 再び方法について/ファシズムの問題/スターリニズム論 第十章 東西冷戦論の否定 Ⅰ 「非行としての戦争」―古典的戦争概念の解体 泰平ムード/帝国主義と戦争/核兵器の出現/社会主義の正義 Ⅱ 「模写と鏡」―国家同盟ブロックという虚構 模写的思想/スターリン主義の解体/国家同盟ブロック論/虚構のブロック論/中ソ対立 Ⅲ 「戦後思想の荒廃」―進歩的思想の種々相 『危険な思想家』/あるエピソード/ベトナム反戦運動/開高健の『ベトナム戦記』/大江健三郎の『ヒロシマ・ノート』/岩田弘の世界認識論 第十一章 「日本のナショナリズム」 Ⅰ 大衆のナショナリズム 後発国のナショナリズム/「お国の為」意識/「身を立て名を挙げ」意識/大正期/昭和戦前期 Ⅱ 知識人のナショナリズム 大正期/昭和戦前期/戦後 第十二章 『カール・マルクス』 Ⅰ 「マルクス紀行」 初期マルクス/自然哲学/デモクリトス/エピクロス/フォイエルバッハ/政治的国家/疎外された労働 Ⅱ 「マルクス伝」1 『経哲草稿』以後/ブリュッセル 1847/パリ 1848/ロンドン 1849 Ⅲ 「マルクス伝」2 学究生活へ/思想の転回/パリ・コミューン/『資本論』第一巻の刊行/資本の本性/その死 第十三章 「自立の思想的拠点」 Ⅰ 言語の問題 流行語の変遷/土俗的言語と先端的言語のねじれ/ルカーチ/サルトル Ⅱ 国家論の問題 日本資本主義論争/超国家主義の思想/林房雄『大東亜戦争肯定論』/上山春平『大東亜戦争の意味』 第十四章 文化大革命と毛沢東 Ⅰ 竹内好への頌辞 整風運動/毛沢東の文学論・哲学論/戦時期天皇制とその類似/竹内好への期待/安保闘争 Ⅱ 内村剛介への書簡 文化大革命/吉本の予言/中島嶺雄批判 第十五章 『共同幻想論』 Ⅰ 「禁制論」 フロイトのタブー論/強制された黙契/恐怖の共同性 Ⅱ 「憑人論」 入眠幻覚三つの位相/予兆譚/狐化けと狐憑き Ⅲ 「巫覡論」「巫女論」 離魂譚/いづな使い/巫女とはなにか?/巫女譚の原形/やや高度な巫女譚 Ⅳ 「他界論」「祭儀論」 死譚/墓葬/生誕/死と復活/大嘗祭 Ⅴ 「母性論」「対幻想論」 母系制/アマテラスとスサノオ/家族の本質/国生みの神話/農耕儀礼 Ⅵ 「罪責論」「規範論」 姉と弟/サホ姫の挿話/ヤマトタケル/天つ罪、国つ罪/清祓/法的刑罰へ Ⅶ 「起源論」 初期王権/『魏志倭人伝』と『古事記』の対応/王権の二重性 第十六章 共同幻想論とその後の展開 Ⅰ 「個人・家族・社会」―共同幻想からの解放 家族/社会という共同性/共同性の解体 Ⅱ 「天皇および天皇制について」―天皇制無化のために 国家とはなにか?/共同的な感性/天皇の秘密/天皇制無化の方法/天皇制の戦後 第十七章 島尾敏雄の文学 Ⅰ 島尾敏雄の戦争小説 われわれの慈父/「島の果て」/島と少女の恋/神戸在住時代/東京在住時代/「出発は遂に訪れず」/戦争小説と家族小説を結ぶもの Ⅱ 島尾敏雄の家族小説 家族小説の出発/巫女の末裔/妻の変貌/家族の本質的矛盾/家族の究極のかたち/精神の病い/精神病棟/古代の夢 第十八章 『試行』2 Ⅰ 上昇機運と経費問題 寄稿原稿掲載の基準/驚異と脅威/経費問題 Ⅱ ひどい時代 心の中のリスト/学生運動/全共闘批判 あとがき |
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