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神田外語大学出版局

徳川日本の論語解釈
 
徳川日本の論語解釈
著者黄俊傑
工藤卓司
徳川日本の論語解釈
 
A5判・384頁


ISBN4-8315-
ISBN978-4-8315-1389-2
C1021

2014 年発行 

儒教的価値の伝承者は、中国においては士大夫、李朝朝鮮においては両班という権力内部にあったのに比して、徳川日本においては、「儒者」と呼ばれた一般の知識人であり、比較的自由な解釈と宋儒の注釈の呪縛から抜け出し、直接先秦の孔門師弟の対話の現場に参与することができた。
東アジア儒学という視野から徳川時代の儒者たちの『論語』解釈の特質と価値を見定める。

●目次●
日本語版への序文
自序
第一章 中日儒学思想史のコンテクストから論じる「経典性」の意義」
  一、はじめに
  二、儒家思想のコンテクストにおける「経典性」の三つの様相
  三、儒家の「経典性」がもつ三つの様相間における関係
  四、結論
第二章 経典解釈における「コンテクスト的転換」―中日儒家思想史の視野から―
  一、はじめに
  二、経典における概念の形成とそのコンテクスト性
  三、文化を越える思想伝播の過程における「コンテクスト的転換」―その類型と意義
  四、「コンテクスト的転換」の方法論的問題
  五、結論
第三章 日本儒学における『論語』―『孟子』との比較を通じて―
  一、はじめに
  二、日本の儒者における「文化的アイデンティティ」の二重性
  三、孔子思想中の価値理念と徳川時代儒者の解釈
  四、孟子の易姓革命思想と日本政治体制との緊張関係
  五、結論
第四章 護教学としての経典解釈学―伊藤仁斎―
  一、はじめに
  二、伊藤仁斎の『論語』解釈法
  三、伊藤仁斎『論語』学の思想的立場と孔子の再構築
  四、伊藤仁斎『論語』学の論述目的
  五、結論
第五章 政治論としての経典解釈学―荻生徂徠―
  一、はじめに
  二、「道とは、先王の道なり」―孔子の「道」の政治的解釈
  三、「聖人とは、道の出づる所なり」―聖人としての先王
  四、徂徠学における六経の位置―「聖人の道を求めんと欲する者は、必ず諸れを六経に求む」
  五、結論
第六章 日本儒者の『論語』「学而時習之」解釈
  一、はじめに
  二、日本儒者における「学而時習之」章解釈の三種の方法
  三、中国儒者の解釈とその哲学的問題
  四、朝鮮儒者の解釈とその思想的基礎
  五、結論
第七章 日本儒者の『論語』「吾道一以貫之」解釈
  一、はじめに
  二、日本儒者の「吾道一以貫之」についての解釈
  三、日本儒者の宋儒批判とその思想史的位置
  四、日本儒者と朝鮮儒者の解釈の比較
  五、結論
第八章 日本儒者の『論語』「五十而知天命」解釈
  一、はじめに
  二、「五十而知天命」の解釈とその発展
  三、日本儒者の経典解釈方法・その一―「コンテクスト化」の経典解釈方法とその問題
  四、日本儒者の経典解釈方法・その二―「即存在論本質」の経典解釈方法とその問題
  五、結論
第九章 日本儒者の経典解釈の伝統的特質―「実学」の日本的コンテクスト―
  一、はじめに
  二、「理」学の反措定としての徳川実学―『論語』解釈学の反朱子学的側面
  三、政治論としての徳川実学―『論語』解釈学の経世的性格
  四、結論

訳者あとがき
索引

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