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神田外語大学出版局

東アジアの思想対話
 
東アジアの思想対話
著者高坂史朗
東アジアの思想対話
 
A5判・344頁


ISBN4-8315-
ISBN978-4-8315-1395-3
C1010

2014 年発行 

東アジアを地域概念だけでなくより広い概念としてとらえ、共生の時代のために、近代日本の哲学と東アジアを語る創造的立場と方法を模索する。

●目次●

Ⅰ 東アジア比較思想史の試み
第一章 東アジアという概念―地域概念・政治概念・文化概念―
  1 地域概念
  2 政治概念
  3 歴史概念
  4 文化概念
第二章 歴史観の相剋―「近代」をめぐって―
  1 「近代」への忌避
  2 「いま」の歴史解釈
  3 進歩観との葛藤
  4 歴史物語の破綻
  5 躓き・挫折・アポリア
第三章 方法としての比較―和魂洋才・東道西器・中体西用―
  1 対象と方法
  2 近代化一元論
  3 和魂洋才・東道西器・中体西用
  4 比較の基準
  5 文化の多元性と文化的主体性
第四章 Deus・天主・でうす・???(ハヌニム)―東アジアにおけるキリスト教受容―
  1 東アジアのキリスト教徒
  2 中国のキリスト教
  3 日本とキリスト教
  4 朝鮮とキリスト教
第五章 地動説の受容と思惟構造の変容―志筑忠雄『暦象新書』・『坤輿全図』・洪大容
  1 コペルニクスの地動説
  2 オランダ通詞本木良永の戸惑い
  3 志筑忠雄の『暦象新書』
  4 司馬江漢『和蘭天説」
  5 山片蟠桃の『夢の代』
  6 釈円通と平田篤胤
  7 『坤輿全図』の成立とその影響
  8 洪大容と朝鮮北宋派
第六章 儒教とPhilosophyの葛藤―東アジアの思惟構造の特性―
  1 狩野直喜の『中国哲学史』
  2 日本思想と日本哲学史
  3 中国への「哲学」移入
  4 History of Chinese Philosophy
  5 馮友蘭の「中国哲学史」
  6 唯物史観
  7 朝鮮の「哲学」受容
  8 東アジアの文化とPhilosophy

Ⅱ 近代日本の哲学と東アジア
第七章 新しい世界を求めて―西周とオランダとの出会い―
  1 津和野を脱藩する
  2 蘭学への情熱
  3 英学への移行
  4 留学への願望
第八章 儒教から哲学へ―論理と体系を模索して―
  1 訓点とカタカナ
  2 Philosophy of wijsbegeerte
  3 「哲学」という翻訳語の意義
  4 中国文化からヨーロッパ文化へ
  5 儒教から哲学へ
第九章 東洋と西洋の統合―明治の哲学者たちの求めたもの―
  1 「明治哲学」という区分
  2 西洋哲学の移入
  3 対抗としての東洋哲学
  4 仏教の論理
  5 東洋と西洋との確執・統合
第十章 種の論理と世界史的立場―一九三〇年代京都学派の位置―
  1 昭和六年(一九三一)の思想史的意義
  2 社会存在論
  3 歴史的意義
  4 京都学派と「あの戦争」
  5 東アジアの観点から
第十一章 植民地帝国大学に立つ哲学者―京城帝国大学と台北帝国大学の思想的意義―
  1 京城帝国大学と台北帝国大学の設立
  2 玄海つつじを愛した安部能成
  3 京城帝国大学の展開と終焉
  4 望郷の念に駆られる務台理作
  5 台北帝国大学の展開とその後
  6 戦後民主主義
第十二章 内在的超越としての大乗仏教―場所的論理と東アジアの宗教―
  1 「場所的論理と宗教的世界観」
  2 内在的超越
  3 東アジアの宗教
  4 日本的論理と大乗の真精神

Ⅲ 日本思想史の視座
第十三章 日本文化論の方法と対象―純化・包摂、空間・時間―
  1 純化―方法論Ⅰ
  2 包摂―方法論Ⅱ
  3 空間(風土)―対象論Ⅰ
  4 時間(古層)―対象論Ⅱ
  5 独自性と普遍性
第十四章 日本文化を語ることのアポリア―独自性・世界性・閉鎖性・相互性―
  1 Woher kommen Sie?―「どこから来たの」
  2 他者へ語る武士道
  3 茶の理想の自己賛美
  4 法隆寺とギリシア建築
  5 「いき」の民族的特殊性
  6 文化の普遍性と相互作用
第十五章 対話と創造―東アジアの中の日本哲学―
  1 東アジアと西洋文化
  2 韓国の哲学的営為
  3 韓国の“日本哲学”への眼差し
  4 中華人民共和国における「哲学」
  5 日本の翻訳語が果たした役割
  6 中国の東西融合の課題
  7 創造のための対話

初出一覧
あとがき
人名索引

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