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雑誌『第三帝国』の思想運動 茅原華山と大正地方青年 |
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雑誌『第三帝国』の思想運動
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ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-0000-7
C3021
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ジャーナリスト茅原華山と益進会が創刊した雑誌『第三帝国』の実態を明らかにし、従来「民本主義」の先駆とみなされてきた茅原ならびに益進会の言論活動を「帝国」日本の改造を企図した思想運動と捉え直し、『第三帝国』における記者と読者、益進会同人と地方青年読者の思想的連関を解明する。
●目次● 序 章 本研究の視点 第一節 「益進会東北講演旅行」の盛況 第二節 本書の課題と方法 第三節 史料と構成の概観 第一章 「益進主義」の思想形成―茅原華山に即して― 第一節 平和膨張的「帝国主義」の提唱 一 「一大家族の分業」―貴社と読者の協力 二 「社会進歩の機関車」―実業と教育の調和 三 「個人」と「社会」の相互補完 第二節 東西文明の調和―日露戦争後の外遊経験 一 「生活問題」との遭遇 二 文明認識の内実 三 「益進主義」の原型 第三節 「益進主義」の鼓吹 一 人間存在の回復―「新唯心論」への到達 二 「真個の自我実現」―人間観における「個人」 三 「人間本位の憲法政治」―国民の自立化と国家の生活化 第二章 「第三帝国」の創設 第一節 益進同人の結集―日露戦争後の地方青年 一 石田友治の「上京」 二 「哲学」青年の再会―松本悟朗と野村善兵衛 三 「雄弁」青年の活躍―鈴木正吾と丁未倶楽部 第二節 雑誌『第三帝国』の創刊 一 石田友治の「再上京」 二 第一次護憲運動と益進会 三 創刊の趣旨と益進会の陣容 第三節 地方背陰園たちの「益進」―「投書」「交歓」「通信」 一 投書欄「戦闘曲」の活況 二 青年読者の「声」 三 「投書」の連鎖と「交歓」「通信」欄の充実 第三章 「第三帝国」の理論と実践 第一節 「生活即政治」の実現―「運動」と「論争」の二面展開 一 「新憲政擁護運動」と山本内閣打倒キャンペーン 二 ベルグソン哲学と「自我」論争 三 「二重生活」否定論争と「新労働問題」論争 第二節 「第三帝国」の支持基盤―秋田県内における益進会支部を事例に 一 「霊肉合流」の「新帝国」―横手支部の場合 二 地域自治と教育の革新―北浦支部の場合 三 政界変動のなかの地域青年―能代支部の場合 第三節 「模範選挙」運動の実践 一 普通選挙請願運動の展開 二 第二次大隈内閣と第十二回総選挙 三 「模範選挙」運動の展開―「模範」と「理想」の相違 第四章 「第三帝国」の思想圏 第一節 益進会の隆盛と分裂 一 「模範落選」以降 二 益進会の隆盛と分裂 三 『洪水以後』と『新理想主義』 第二節 益進会同人の「第三帝国以後」―野村隈畔の場合 一 ベルグソン哲学の動揺 二 「文化主義」批判 三 「絶対自由」の希求 第三節 「第三帝国」の住人―金子洋文と室伏高信の場合 一 「華山と無車」の相剋 二 「若き農夫」の発見 三 「生命デモクラシー」論の提唱 四 「民本主義」論争への参入 終 章 大正地方青年と雑誌『第三帝国』 第一節 第一期『第三帝国』の終幕 第二節 本書の成果と今後の展望 あとがき 索引
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