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神田外語大学出版局

日本思想史講座5―方法
 
日本思想史講座5―方法
編集苅部直/黒住真/佐藤弘夫/末木文美士/田尻祐一郎
日本思想史講座5―方法
 
A5判・600頁


ISBN4-8315-
ISBN978-4-8315-1428-8
C1021

2015 年発行 

日本思想史におけるこれまでの研究成果の総括のみならず、近隣分野の研究成果や海外の研究成果をも取りこんで、「日本思想史」の新たな方法論の可能性を模索すると同時に、人文科学の基幹としての思想史学の確立を目指す。全5巻(1-古代、2-中世、3-近世、4-近代、5-方法)

●目次●方法
刊行にあたって
Ⅰ 研究の課題と方法
日本思想史の方法―物事の形態と把握の歴史―=黒住真
  一、日本思想史―その在り方・時代区分・「方法」
  二、思想史―前提としての人間経験の歴史から
  三、日本の思想史―島国と古代から中世へ
  四、日本の思想史―近世から近代への問題
戦後から二十一世紀の日本思想史―「日本らしさ」の底流・「公私」(公共)を中心に―=片岡龍
  はじめに
  一、「日本らしさ」を求める底流
  二、「公私」
Ⅱ 方法の諸相
方法としての「擬古」=澤井啓一
  一、問題の所在
  二、「擬古」以前の方法意識
  三、古文辞学の方法意識
  四、宣長における「擬古」
  五、「擬古」の終焉
対話と論争としての思想史研究―儒教思想史に即して―=高橋文博
  はじめに
  一、伊藤仁斎の「熟読精思」
  二、伊藤東涯の『古今学変』
  三、井上哲次郎の「日本哲学に関する史的研究」
  四、「教育勅語は明治の聖典であります」
  おわりに
訓読=中村春作
  一、訓読とは何か
  二、訓読に向けられた視線
  三、訓読法の変遷は何を物語るか
  四、訓読論への視座
書物と民俗のはざまで=若尾政希
  はじめに―史料としての書物・蔵書
  一、思想形成の契機としての書物・蔵書―書物時代のはじまり
  二、書物と現実体験とのはざまで
  三、民俗という契機
  四、民俗との葛藤、その形成の背景
やまと言葉の発想―「おのずから」と「みずから」の「あわい」で考える―=竹内整一
  一、やまと言葉で考えるということ
  二、「おのずから」と「みずから」という枠組み
  三、「おのずから」と「みずから」の相即・撞着
  四、「おのずから」と「みずから」の「あわい」
宗教と学術=林淳
  一、ヨーロッパにおける「仏教」の誕生
  二、ヨーロッパ仏教学と日本人
  三、仏教学と仏教史学
  四、宗教学と神道史
  五、世界宗教の発生
日本とアジア・西洋=山室信一
  はじめに―「メトードなき伝統」という言説とヨーロッパ像
  一、論争的概念としての時空間―「日本とアジア・西洋」の思想史的位相
  二、方法としての時空間
  三、課題としての時空間
  おわりに―「盲信の体系」からの自己解放
社会認識=山泉進
  はじめに
  一、翻訳語としての「社会」
  二、「社会」認識と「社会問題」
  三、「社会問題」の解決法としての「社会主義」
  おわりに
治療と臨床=本村昌文
  一、死を前にした人間
  二、「死生学」が目指すもの
  三、死生学と日本思想史研究
  四、日本思想史研究と現代社会のつながり
  五、医療・介護の現場と共通基盤の設定
性とジェンダー―方法としてのジェンダーの視点―=川村邦光
  一、性/性差をめぐる物語と思想
  二、性/性差をめぐる視点
  三、ジェンダーという視点
  四、セックス/ジェンダー観の転回
生活と自然―環境思想史の構想―=佐久間正
  はじめに
  一、欧米の環境思想史研究の進展と日本環境思想史の模索
  二、儒教の環境思想
  三、日本環境思想史の構想
  おわりに
Ⅲ 世界のなかの日本思想史―海外からのアプローチ
中国における日本思想史の研究=卞崇道+呉光輝
  一、研究史の変遷
  二、分野別の研究
  三、「誰の思想史? 誰のために書かれた思想史」
韓国の日本研究と日韓の思想連関=趙寛子
  一、研究環境の変化
  二、韓国と日本の思想連関
  三、成長の欲求・思想の成熟
台湾と香港における日本思想史研究=藍弘岳
  はじめに
  一、台湾における日本思想史研究(一)―世代論の視点から
  二、台湾における日本思想史研究(二)―多様なアプローチ
  三、香港における日本思想史研究
  むすびに代えて―特徴と展望
「満洲」幻想の生成と消滅=劉建輝
  はじめに
  一、心象風景としての「赤い夕日の満洲」の誕生
  二、「馬賊」のかき立てたロマン
  三、「幻想」装置としての文学
  四、ツーリズムの作り出した「満洲」夢
  おわりに
欧米からの鳥瞰的スケッチ=ケイト・W・ナカイ
  一、欧米における日本研究の時代的・組織的背景
  二、思想史に対する姿勢の変遷
  三、「偶然」の要素
ヨーロッパにおける日本宗教思想研究の現状=フレデリック・ジラール
  はじめに
  一、宗教・仏教
  二、歴史学
  三、文学
  四、美学
  五、近世思想
  六、現代哲学
  七、スイスの研究
  八、イタリアの研究
  おわりに
Ⅳ 日本思想史へ―ガイダンス
神道=安蘇谷正彦
  はじめに
  神道思想の形成とその内実
  むすびにかえて
仏教=大久保良峻
  一、仏教の展開
  二、漢字・漢文の仏教
  三、仏教の区分
  四、密教の展開
  五、仏教思想研究の基礎と課題
儒教=土田健次郎
  一、日本儒教史の試み
  二、儒教の枠組み
  三、アジア儒教史の試み
キリスト教=鵜沼裕子
  はじめに
  一、研究史の概観
  二、日本思想史としてのキリスト教史
  三、今後の展望―方法的視座としての「宗教体験」
政治思想=平石直昭
  一、言葉の定義
  二、「政治思想史」の対象
  三、政治思想史を学ぶ困難について―現代との断絶
  四、帝国大学における「東洋政治思想史」講座設置の背景
哲学=藤田正勝
  一、哲学と思想
  二、日本思想史の成立
  三、倫理思想と倫理学
  四、原理的な問いの不在
  五、歴史学と哲学の方法
  おわりに
史料・文献=梅澤秀夫
  一、思想史研究と資料
  二、日本史学における史料論
日本思想史関係文献一覧
日本思想史年表

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