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夢のひとしずく 能への思い
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夢のひとしずく 能への思い
A5判・288頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1430-1
C0074
2015 年発行
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シテ方能楽師の家に生まれ還暦を迎えた著者が、第一部では、子方(子役)時代から苦悩の青年期を経て能の魅力を再発見し研究的に演能に取り組んだ還暦までを綴り、第二部では、「神・祝言」「男」「女」「狂」「鬼」と五番立てに沿って、演能する側からの演目と能の魅力を語る。
●目次● はじめに 第一部 わが能楽人生 第一章 序――初舞台から子方卒業まで 初舞台は『鞍馬天狗』の「花見」/数々の子方を経験して/『鞍馬天狗』にみる能役者としての成長/ 『船弁慶』で知将・知盛と戦う子方/散々にたたかれる『安宅』の子方/大人の義経がなぜ子方?/ 『隅田川』の子方/鞨鼓を打ち舞う『望月』の子方/初シテは『猩々』/初ツレは『土蜘蛛』/ 子方卒業は『満仲』 [コラム]善玉天狗VS悪玉天狗/子方の勘違い/小道具の扱いの修業/鏡の間 第二章 破――子方卒業から『道成寺』披きのころまで 十番会という稽古会/十番会の初シテは琵琶の名手『経政』/青年喜多会で年一番の能/ 『小鍛冶』は節目の曲/シテツレ街道まっしぐら/やる気にさせた『黒塚』/ 『道成寺』を披く/『道成寺』のあと [コラム]役者と歌舞を支える人たち/天地人と左回り/面のウケ/ 囃子方と床几/作り物/作り物:道成寺の鐘/早装束 第三章 急――三十代から還暦にいたるまで 研究公演発足のころ/『采女』の小書に取り組む/『砧』で演出の見直し/ 地謡の充実/書くことと演じること/父の死を乗り越えて/能よ、永遠なれ! [コラム]盲目の杖/シテ方の後見/薪能/能楽堂と劇場 第二部 演能の舞台から 第一章 神・祝言 『翁』は能にして能にあらず/厳島神社で翁付脇能を演じる/『翁』は翁付脇能でなければ/ 連獅子を舞う『石橋』/神話が息づく舞尽くしの『絵馬』/女神が美しく舞う『三輪』『葛城』/ 原初の神々には「神楽」が似合う [コラム]獅子舞物/作り物:一畳台 第二章 男 亡びる者への鎮魂と風流/『忠度』と『俊成忠度』での和歌への執心/『清経』の貴公子と妻の情愛/ 『頼政』の思い通りにいかない人生への鬱屈と爆発/『実盛』の人生の幕引きへの切ない美学/ 『巴』で艶ある女武者を描けるか [コラム]勝修羅VS負修羅/笛、琵琶/専用面/小道具・長刀 第三章 女 『羽衣』に名ゼリフあり/世阿弥の「夢幻能」の創造/『野宮』で源氏物語をひもとく/ 『松風』の恋慕と狂乱/『江口』の遊女と普賢菩薩/『半蔀』と『夕顔』――「夕顔の巻」から/ 『小原御幸』で描く平家物語 [コラム]破之舞、イロエ、働きとは?/謡の覚え方と上達の秘訣/シオリ/究極の女面「痩女」 第四章 狂 物狂能とは?/不朽の名作『隅田川』/観世元雅の能/関での攻防を描く『安宅』/ 観世小次郎信光の能/無骨な男の覚悟を描く『景清』/男の悲劇を描く『鬼界島』/ 能と芝居の狭間で/『邯鄲』『天鼓』『一角仙人』、唐物の魅力とは? [コラム]危険が伴う型・勢いのある型/直面物 第五章 鬼 能に描かれた鬼という存在/『大江山』の鬼・酒呑童子/『紅葉狩』で妖艶な女に化けた鬼たち/ 『殺生石』が描く妖狐・魔性の女・石の魂/『黒塚』で鬼女をどう描くか/『鵺』に託した世阿弥の思い/ 殺生を業とする者を描く『鵜飼』 [コラム]段物について/前シテと後シテが別人格/曲名に色がつく能 おわりに |
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