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歌舞能の系譜 世阿弥から禅竹へ |
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歌舞能の系譜
A5判・344頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1528-5
C1074
2019 年発行
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観阿弥・世阿弥時代を能の大成期とし禅竹の時代は守成に入っていると考えるのが定説であったが、世阿弥と禅竹に焦点をあて、作品分析を徹底し、それぞれの人とその時代的特色を明確にすることで、禅竹時代までが創生期と位置づけられることを明らかにする。
●目次● はじめに 第一章 世阿弥と禅竹 一 言葉の魔術師、世阿弥――〈砧〉―― 二 耽美派、禅竹の能――〈野宮〉と〈定家〉―― 第二章 創生期の能の魅力 一 夢と現の間 * 交錯する現在と過去〈融〉 * 言葉では表されない事柄〈浮舟〉 * 夜の明ける瞬間〈西行桜〉 二 類型化以前の霊験能――〈田村〉を中心に――― 三 禅竹のもたらした能の革新性 第三章 世阿弥の言語感覚 一 世阿弥は『源氏物語』を読んでいたか――〈浮舟〉〈頼政〉〈班女〉―― 二 「雲となり雨となる」 三 もみじに冷淡な世阿弥――能作者の横顔―― 四 〈砧〉に用いられる「水かけ草」 五 能の中の大和、共存する歌枕と実世界――〈布留〉と〈野守〉―― 六 〈融〉の引き歌考 七 〈融〉三五夜中の新月の色 八 舞を生む歌語――能における和歌の力―― 九 動き出す言葉 十 歯車となる言葉 第四章 世阿弥における能楽論と能作の実態 一 修羅能のシテに選ばれた武将たち――〈清隆〉〈敦盛〉そして〈朝長〉―― 二 軍体と砕動風――『拾玉得花』我意分説をめぐって―― 三 力動風再考 四 佐渡における世阿弥 五 『申楽談儀』世阿弥が語ったこと、語らなかったこと 六 住することなき世阿弥 七 世阿弥の能楽論と死生観――世阿弥と元雅―― 第五章 禅竹の世界 一 六条御息所の変貌――能と物語の間―― 二 〈野宮〉の作者――身にしむ色―― 三 「飽かねやいつの寝乱れ髪」 四 一条兼良と金春禅竹 五 〈定家〉と『百人一首』 六 〈姨捨〉の作者 初出一覧 あとがき 曲名索引 |
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