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「神国」の正統論 『神皇正統記』受容の近世・近代 |
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「神国」の正統論
A5判・352頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1532-2
C3012
2019 年発行
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《正統》における倫理による政治権力の規制という側面が弱まっていくとともに、考証主義の進展につれて日本の本来性が強調され、「神道」に由来しつつそれと分離された本来的規範が社会統治のために求められてきた、近世から近代に至る『神皇正統記』の受容史と「正統」の解釈をめぐる道のりをたどる。
●目次● 序論 第一節 「君主の徳」と「正統」 第二節 「正統」の二つの位相 第三節 『神皇正統記』について 第四節 近現代の『神皇正統記』研究史 Ⅰ 第一章 「神国」の「正統」――『神皇正統記』の思想構造―― はじめに 第一節 『神皇正統記』の歴史的背景と執筆目的 第二節 「正統」概念の系譜 第三節 「神国」と「日嗣」 第四節 「天祖」 第五節 「忠」 第六節 「三種の神器」 第七節 「政」 第八節 「神道」 第九節 「正理」 第十節 《正統》 おわりに――「時の災難」 第二章 「南朝」のあとで――近世前期までの『神皇正統記』の受容史―― はじめに 第一節 室町・戦国期における『正統記』受容 第二節 徳川期における『正統記』受容の二類型 第三節 林羅山における『正統記』受容 おわりに 第三章 「虚器」と「共生」――山鹿素行と新井白石の『神皇正統記』受容―― はじめに 第一節 山鹿素行における『正統記』受容 第二節 新井白石における『正統記』受容 おわりに Ⅱ 第四章 「神器」と「正統」――闇斎学派の南朝正統論―― はじめに 第一節 山崎闇斎の南朝正統論 第二節 正統と「理」 第三節 神器正統論の興隆 第四節 神器正統論の広がり おわりに――南朝正統論の帰趨 第五章 本来性をめぐる闘争――前期水戸学における神器論争―― はじめに 第一節 神器論争の背景 第二節 栗山潜鋒の神器正統論 第三節 三宅観瀾の神器正統論批判 おわりに 第六章 「神書」と「古典」のあいだ――垂加派における『古事記』研究―― はじめに 第一節 垂加神道における『古事記』観 第二節 大山為起の『古事記』研究 第三節 渋川春海と谷泰山の『古事記』研究 第四節 岡田正利の『古事記』研究 第五節 小野高潔の『古事記』研究 おわりに Ⅲ 第七章 「神道」から「古道」へ――『弁道書』以降における「神道」の再解釈―― はじめに 第一節 徂徠学派の神道批判 第二節 神道概念の再解釈 第三節 本居宣長の古道論 おわりに――神道概念の再解釈が残したもの 第八章 「国体」の興隆――後期水戸学における『神皇正統記』の受容―― はじめに――後期水戸学の成立背景 第一節 藤田幽谷の『正統記』受容と「国体」論 第二節 幽谷門流の『正統記』受容 第三節 会沢正志斎の『正統記』受容 第四節 藤田東湖の『正統記』受容 おわりに 第九章 「神国」の近代――明治国学と『神皇正統記』―― はじめに 第一節 川喜多正彦の『評註校正神皇正統記』 第二節 明治期の『正統記』刊本・注釈書類の刊行とその背景 第三節 明治期における『正統記』解釈の特質 第四節 井上毅と『神皇正統記』 おわりに 結論 あとがき 索引 |
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