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〈優勝劣敗〉と明治国家 加藤弘之の社会進化論 |
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〈優勝劣敗〉と明治国家
A5判・328頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1546-9
C3021
2019 年発行
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十九世紀から二十世紀初頭にかけて欧州を中心に流行した社会進化論が日本の国家思想に与えた影響を、加藤弘之が唱えた〈優勝劣敗〉の思想に着目して究明する。
●目次● 序 章 本書の課題と方法 第一節 一八九〇年、ロンドンそして東京――快楽と国家 第二節 本書の課題と論点 第三節 先行研究の整理 第四節 本書の史料と構成 第一章 国家思想の構築と社会進化論の受容 第一節 幕末維新期における加藤弘之の思想 第二節 「開化史」から社会進化論へ 第三節 社会進化論受容の諸相 第二章 「優勝劣敗是天理矣」――『人権新説』の思想界における〈万物法〉―― 第一節 『人権新説』執筆とその典拠 第二節 「王公政府」と「上等平民」の競争とその抑止――各版の交合作業から 第三節 明治十四年前後の君主論と主権論 第三章 明治二十年前後における〈優勝劣敗〉思想の深化 第一節 「政治の季節」と社会進化論 第二節 「自由」をめぐる思索――草稿「自由論」の検討 第三節 元老院における地方自治制度審議 第四章 明治国家の確立と〈天罰〉の主張 第一節 明治憲法制定と進化論 第二節 雑誌『天則』の創刊 第三節 〈万物法〉から〈天則〉へ――「無窮皇統」と「日本人種」 第五章 日清戦争前後の「道徳法律」論 第一節 『強者の権利の競争』と『道徳法律之進歩』 第二節 日清戦争前後の「道徳」「法律」問題 第三節 「第三段階有機体」としての国家――『道徳法律進化の理』初版と増補改訂版の比較 第六章 日露戦後における社会進化論の行方――〈自然〉一元論の提唱―― 第一節 「一等国」と進化論 第二節 〈優勝劣敗〉の復権――「煩悶青年」と自然主義への批判 第三節 〈自然〉一元論と「国家の自治」――加藤弘之における社会進化論の帰結 補 章 加藤弘之による「追遠碑」建設――大正二、三年の茨城県筑波郡訪問―― 第一節 つながる石碑と文献史料 第二節 一ノ矢八坂神社における建碑と奉額――祖先の「追遠」と「神之遺徳」 第三節 建碑に見る加藤弘之晩年の思想 終 章 本書の成果と残された課題 第一節 「快楽」と「努力」 第二節 明治国家と社会進化論 第三節 成果と残された課題 あとがき 索引 |
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