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芭蕉を受け継ぐ現代俳人たち 季語と取合せの文化 |
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芭蕉を受け継ぐ現代俳人たち
四六判・384頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1573-5
C1091
2020 年発行
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芭蕉がもたらした俳句表現の本質を受け継ぐ、大野林火・田中裕明・波多野爽波・平畑静塔・永田耕衣・西東三鬼ら現代俳人たちの俳句と生きざまを、芭蕉から近現代俳句までを共通の視点で分析してきた著者が読み解く。
●目次● はじめに Ⅰ 俳句表現の本質 一 季語と歳時の交響――芭蕉から大野林火へ―― 一、季語自由――題詠と実景実情のあいだ―― 二、季語の拡大化――俳諧の自立、芭蕉の革新―― 三、季語の本意の拡充――続、芭蕉の革新―― 四、本意拡充の実際――芭蕉から蕪村・一茶へ―― 五、大野林火の「本意」論 六、歳時記の近世的役割――季寄せ・類題句集とともに―― 七、歳時としての「年中行事」の意義 八、歳時空間を詠む――連句・俳句―― 九、「年中行事」の民俗学、文化人類学的考察 一〇、近現代俳句における「年中行事」――大野林火の実践―― 二 「取合せ」と「とりはやす」という手法――芭蕉から田中裕明へ―― 序説 一、許六の「取合せ」論――「とりはやし」の手法―― 二、「取合せ」の句構造――曲輪の内と外―― 三、「二物衝撃」の手法の登場 四、近現代俳句における「取合せ」――子規と虚子―― 五、誓子の「写生構成」と湘子「二物衝撃」 六、田中裕明の「取合せ」論――余白の効用―― 七、裕明の作品から 結語 三 随想・俳句文体論へ向けて 一、口語調の文体 二、「切字」の働き 三、取合せ文化論 四、俳句における時間と空間 Ⅱ 俳句の伝統と現代性 一 俳句スポーツ説の真義――波多野爽波の「写生」観 序説 一、爽波の「写生」観 二、俳句スポーツ説 三、芭蕉のことば、爽波の理解 四、爽波の作風 結語 二 平畑静塔の「俳人格」とは何か――俳句の「作者」と作品の「主人公」のあいだで―― 一、虚子の「俳人格」 二、「虚実融合」の精神 Ⅲ 新しい伝統の受容のしかた 一 永田耕衣の俳句観――イロニーとアナロジー―― 序説 一、耕衣の人間的魅力 二、イロニーの精神 三、アナロジーの発見 四、俳句における「諧謔」とはなにか 五、俳句の「卑俗性」 六、談林風称賛 七、イロニーのもつ批評性 八、アナロジーのおもしろさ 九、耕衣の「イロニー」説への批判 一〇、耕衣の「アナロジー」説への批判 一一、「アナロジー」と「取合せ」 一二、「取合せ」と「主体的統一力」 一三、俳句的思考の働き 一四、イローニッシュアナロジーの発見へ 二 西東三鬼の人と作風――波郷との交友を通して―― 一、三鬼の波郷への信頼感 二、西東三鬼という人――三橋敏雄の三鬼観―― 三、さまざまの三鬼論 四、波郷からみた三鬼像 五、三鬼の俳句観 六、三鬼への追悼 七、三鬼の戦前の作風 八、三鬼の戦後の作風 初出一覧 おわりに |
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