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愛民の朝鮮儒教
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愛民の朝鮮儒教
A5判・416頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1586-5
C1012
2021 年発行
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現代の韓国においても根幹にあるとされる「愛民」思想を軸に、これまで否定的な評価しかされてこなかった朝鮮儒教を再評価し、「可能性としての朝鮮儒教」を描き出す。
●目次● はじめに 序 章 封印された朝鮮儒教 一 日本人と朝鮮儒教 二 日本における朝鮮儒教研究の始まり 三 朝鮮にはなぜ一人の仁斎も徂徠もいないのか? 四 朝鮮儒教は低級なる朱子学か? 五 朝鮮儒教は無意味な党争の繰り返しか? 結語 第一章 井上哲次郎の儒教解釈と武士道 はじめに 一 精神と武士道 二 儒教三部作と武士道 結語 第二章 なぜ丸山理論は朝鮮儒教に当てはまらないのか はじめに 「朱子学的思惟方法」の問題点 結語 第三章 朝鮮儒教のルーツを求めて はじめに 一 『性理大全』に収録された元朝儒教 二 『四書大全』『四書輯訳』『四書章図纂釈』に収録された元朝儒教の特徴 三 許衡と朝鮮王朝 結語 第四章 朝鮮儒学における「心学」の位相 一 朝鮮儒学の三つの捉え方――性理学、実学、心学 二 朱子学後における宋学(程朱学)の「心学」化 三 朝鮮で受容された「心学」関連テキスト 四 「敬」を主とする「心学」 五 「朝鮮心学」の特徴 第五章 李退渓の「誠」と王陽明の「誠」 一 二つの「誠」 二 「天即理」 三 「四端」と「敬」 四 「心」 五 「誠」 結語 第六章 鄭霞谷の「心」の解釈 一 朝鮮陽明学と朝鮮心学 二 鄭霞谷『心経集義』の特徴 三 鄭霞谷と李退渓 結語 第七章 「愛民」と「安民」の政治学 一 朝鮮儒教の社会統治論 二 「愛民」と「安民」 三 「愛民」と「政治の発見」 四 朝鮮儒学者と日本儒学者の「民」の解釈 五 「愛民」の政治学的意味 六 「愛民」と社倉論 七 「愛民」と近代化 結語 第八章 「天」観念の変容と韓日両国のナショナリズム はじめに 一 朝鮮儒学における「天」の解釈 二 日本儒学における「天」の解釈 三 近代化と「儒学史」 結語 第九章 愛国啓蒙運動と張志淵 一 大韓帝国の保護国化と反発 二 愛国啓蒙運動の展開と梁啓超 三 張志淵における伝統と近代の相剋 四 張志淵と高橋亨の論争 五 晩年とその評価 第一〇章 儒教は「東アジア共同体」の紐帯となりうるか 一 戦後日本人のアジア認識と儒教 二 日本における「東アジア共同体」論と儒教 三 儒教と「他社認識」 結語 終 章 「愛民」と君主論 あとがき 初出一覧 索引 |
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