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日本書紀の時間構造 未生已生の国常立尊と中今 |
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日本書紀の時間構造
四六判・232頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1623-7
C1014
2022 年発行
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『日本書紀』に記された「古」「未」「渾沌」、『続日本紀』宣命に謳われた「中今」の思想を手がかりに、未だ来たらざる未来が一瞬の今を経て、古の過去になっていくという時の移ろいを、西洋・東洋、中世・近代の時間論とも比較しながら考察する。
●目次● はじめに 第一章 永遠の今 西洋(キリスト教)の時間構造 アウグスティヌスの永遠の今 ニーチェの永遠回帰とエリアーデの永遠回帰の神話 東洋(仏教)の時間構造 永遠の今と矛盾的自己同一と一即多 一即多 第二章 古の渾沌 無からの始源 三次元と四次元 古の渾沌 牙をめぐる『日本書紀』冒頭の解釈と絶対観の不在 カプラの場と渾沌 第三章 吉川惟足による渾沌と国常立尊と未生已生論 中世神道思想と吉川惟足 国常立尊と理気 渾沌の理解 太極の認識 未生已生論 天人合一(神人合一)と天人唯一 古典伝承と形而上学的体系 シュレーディンガーの梵我一致と単一の意識 ジュルダーノ・ブルーノ ロジャー・ペンローズ 第四章 中今 『日本書紀』に記された「今」 詔勅と宣命(崇神天皇の詔) 『続日本紀』宣命の中今とは 天之御中主神・天御中主尊 今を礼賛する『万葉集』の詠歌 時の流れを感傷する『古今和歌集』の詠歌 無窮と永遠 第五章 膨らんでいく中今論 膨らんでいく中今論 その一(記述学と規範学) 膨らんでいく中今論 その二(山田孝雄の膨張する中今論) 西田長男による山田孝雄批判 西田長男の検証における疑問 現代における今と中今 参考文献一覧 おわりに
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