|
佐藤一斎とその時代
|
|
|
佐藤一斎とその時代
A5判・296頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1671-8
C1021
2024 年発行
|
佐藤一斎は、幕府直轄の学問所・昌平黌の教授を務め、江戸後期から幕末明治にかけて従学、私淑また交流した思想家は数多く、影響を与えているが、その著作「言志四録」はそれぞれ短い条文からなるもので、恣意的な選び方組み合わせで解釈が異なる可能性が大きい。そのため本書は稿本研究を青年期の思想に注目し、添削過程や書入など一斎が書き残したものを参照しその思想的営みを、時期的な変遷、その時代の思想状況の具体相を浮かび上がらせる。
●目次● 序 Ⅰ 青年期の思想 第一章 寛政期における佐藤一斎の思想形成 はじめに 一、学問遍歴 二、悔悟の意味 三、問題意識 おわりに――一斎と寛政異学の禁・正学派朱子学 Ⅱ 林家塾長期の思想 第二章 『言志録』と『言志後録』の思想――稿本研究を中心に―― はじめに――「言志四録」について 一、『言志録』の稿本と先行研究 二、『言志録』の思想 三、『言志後録』の稿本と先行研究 四、『言志後録』の思想 おわりに 第三章 朱陸王同宗論の形成と「公平之心」――欄外書を中心に―― はじめに 一、『大学一家私言』から『大学摘説』へ 二、『伝習録欄外書』の位置 三、大塩中斎との交流 四、『近思録』の講義 おわりに――「公平之心」 第四章 佐藤一斎と後期水戸学――『弘道館記』の成立過程―― はじめに――一斎と水戸藩 一、徳川家康の位置 二、道 三、祭神 おわりに――一斎と後期水戸学 第五章 佐藤一斎の「天」――本居宣長以後の超越者観念―― はじめに 一、朱熹の天と一斎の天 二、宣長の神と一斎の天 三、数 四、死生観 おわりに――一斎と本居宣長 Ⅲ 幕府儒者期の思想 第六章 『言志晩録』と『言志耋録』の思想――稿本研究を中心に―― はじめに 一、『言志晩録』の稿本と先行研究 二、『言志晩録』の思想 三、『言志耋録』の稿本と先行研究 四、『言志耋録』の思想 おわりに――一斎と古賀侗庵 Ⅳ 一斎の思想の継承者 第七章 大橋訥庵の「転向」 はじめに 一、一斎からの離脱 二、天皇の位置と機能 三、キリスト教排斥 おわりに 第八章 河田迪斎の思想的位置 はじめに 一、林家擁護の論 二、『闢邪小言』の検閲 三、『通航一覧』と『元寇紀略』 四、思想的位置 おわりに 補録1 佐藤一斎年譜稿 補録2 佐藤一斎の講釈用『大学』書入 付録 「言志四録」筆削過程表 あとがき 初出一覧 索引 |
|