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荻生徂徠の世界
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荻生徂徠の世界
四六判・352頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1704-3
C1021
2025 年発行
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江戸中期を代表する儒者であり、後に日本近世を通じて独創的で偉大な思想家と評される荻生徂徠。「古文辞学」を習得し「徂徠学」と呼ばれる政治論を唱えたが、病や境遇の変化に伴うあまり幸運とはいえない生涯をおくった。その没後門人たちのの努力により清代中国、朝鮮王朝の儒者たちにまで名声が拡がっていきその思想は「近代化」の先駆と評価されることになる。本書は、半世紀に亘る著者の徂徠研究の成果を伝記から方法論、経書注釈作業、門人による徂徠学の継承と展開、徂徠自身の「日本の外」への眼差し等を思想史的に描出、分析した徂徠入門書。
●目次● はじめに Ⅰ 評伝 第一章 徂徠の思想史的伝記 一、幼少期から青年期まで 二、「訳学」から「古文辞学」へ 三、後半生における光と影 Ⅱ 方法 第二章 〈方法〉としての古文辞学 一、問題の所在 二、言語の「喩的機能」 三、人情と礼楽 四、道の崩壊とその回復 五、古文辞の衰退とその再興 結語 第三章 『辨道』『辨名』とは何か 一、『辨道』――徂徠学に関するポレミックなマニュフェスト 二、『辨名』――儒教タームの言語学的転回 Ⅲ 注釈 第四章 『論語徴』という迷宮 はじめに 一、八佾篇「祭如在」章 二、八佾篇「周監於二代」章 おわりに 第五章 注釈の脱構築――古文辞学的な学庸解釈―― はじめに 一、『大学』――礼に関する問答の記録 二、『中庸』――「誠」をめぐる錯綜した議論 結語 Ⅳ 展開 第六章 徂徠「贈朝鮮使序」考 第七章 太宰春台における古文辞学の逸脱と継承 一、問題の所在 二、古文辞学からの逸脱――「誠」の解釈における方法論的な相違 三、古文辞学からの展開――古文系漢学の成立 結語 第八章 宇佐美灊水 はじめに 一、三浦竹渓の業績 二、灊水の経世論 三、徂徠学体系化の挫折と新しい注釈学 あとがき 索引 |
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