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国学の他者像
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国学の他者像
A5判・276頁
ISBN4-8315-1108-0 ISBN978-4-8315-1108-9
2005 年発行
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「この本で専ら主題とするのは、<中略>生活空間ないし共同体内部でふれあう、自己と対面的に存在する他者である。<中略>国学には、他方で日常の解釈学ともいうべき側面があり、それが国学独自の問題を作り上げており、その問題は今日なお検討に値する思索として展開されてきた。そこでの他者とは、対面的な場面でのふるまいをめぐる自他の関係そのものであり、その延長の上での、自己が他者と共にある公共的空間でもある。(はじめにより)」 主要目次●はじめに 1 戸田茂睡 儀礼とその根拠-「夫婦婚礼」と「恋」 一 隠士 戸田茂睡/ニ 新たな世俗の形成と習俗の発見/三 儀礼の根拠-『梨本書』を中心に/四 恩と武士/五 死の儀礼/六 制度と超越-「役」と「すくひ」/七 道徳の内部と外部-「しのぶ事なくば夫婦婚礼なり、恋とは云べからず」 2 契沖 差異をめぐる方法-「差別」と「平等」 一 「僧(ほうし)」契沖/ニ 契沖の方法/三 誠実と虚偽-『万葉代匠記』初稿本を中心に/四 言語の様相-「差別」と「平等」/五 和可の本質/六 「詞の海」-歌の位相/七 歌の注釈と感性の来歴-とくに『百人一首改観抄』/八 異なる習俗の発見 3 賀茂真淵 共同体とその組成-「異なる心」の情景 一 真淵の古学/ニ 「古へ」と「今」/三 「こゝろにしぬばぬおもひ」と人間社会/四 「同じきに似て異なる心」/五 「二つの崇み」と「ますらを」 4 本居宣長 (1) 他者という現象-自己意識のゆくえと「偽り」 一 初期歌論『あしわけをぶね』より/ニ 実情と「アリノママ」/三 「アリテイノ人情」と「心ノリテイ」/四 他者理解としての「アリテイノ人情」/五 鬼神と「アリテイ」/六 『あしわけをぶね』以後-もののあはれから『古事記』の解釈へ/七 「法師の恋」/八 他者認識の完成 5 本居宣長 (2) 言葉と世界をめぐる方法-「我とかいふ禍神」 一 はじめに/ニ 古学の系譜の意識から/三 古への事跡と言葉/四 神話解釈から/五 知と信をめぐって-方法と主体 6 真淵・宣長そして御杖へ-心と超越の構造 一 「いつはり」と「直き心」/ニ 「ありのまま」の二義性/三 他者理解としての「ありてい」/四 心性と神 7 富士谷御杖 (1) 関係の基底-「人と人との間のこと」と「儒仏の後学」 一 はじめに-御杖の位置/ニ 「人と人との間のこと」/三 「人と人の間」と自他の差異-「偏心」『百人一首燈』草稿より/四 「儒仏の後学」としての歌学/五 自己の現象学へ-「一向心」『百人一首燈』刊本より/六 「まことならぬ歌」と実況性/七 理と情 8 富士谷御杖 (2) 差異から「あはひ」へ-「恋の歌は道の正当なり」 一 相対する関係/ニ 恋の歌-「好色は道にそむき、恋の歌は道の正当なり」/三 歌道と神/四 「あはひ」をめぐる方法/五 共感の逆説-まつりごとと歌/六 おわりに-「欲情」と「公」 終章 誠実と虚偽-日本倫理思想史の視点から 一 「誠実の伝統」の中で-関係性再考/ニ 森有正-二項方式と本居宣長/三 土田杏村と富士谷御杖/四 おわりに |
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