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上田秋成新考 くせ者の文学 |
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上田秋成新考
A5判・344頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1431-8
C3091
2016 年発行
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近年の研究動向を踏まえ、『雨月物語』『春雨物語』といった作品論・物語論からだけでなく、秋成の動向や時代性、環境までを視野に収めた豊穣な秋成研究を提示する。
●目次● 凡例 序論 第一部 秋成の物語の再検討―古典の受容と当代性と 第一章 『源氏物語』への眼差し―秋成の物語と物語論 一 はじめに 二 浮世草子 三 『雨月物語』 四 『藤簍冊子』巻四「落葉」の春秋優劣論 五 『春雨物語』「死首のゑがほ」と『ますらを物語』 六 『ぬば玉の巻』の物語論と秋成の諸作品 七 終わりに 第二章 『世間妾形気』と古典―巻一-一「人心汲てしられぬ朧夜の酒宴」を中心に― 一 はじめに 二 各章段冒頭の和歌の検討 三 冷泉家への入門時期 四 巻一-一導入部と六条御息所・業平・浮世之介 五 『源氏物語』利用の方法 六 終わりに 第三章 『雨月物語』の当代性―夢占と鎮宅霊符― 一 はじめに 二 『夢卜輯要指南』の利用 三 大坂の妙見信仰(一)―星田妙見宮と鎮宅霊符― 四 大坂の妙見信仰(二)―能勢妙見― 五 『諸道徳耳世間猿』に見られる鎮宅霊符 六 終わりに 第四章 「二世の縁」論―「いといぶかしき世のさま」の解釈をめぐって― 一 はじめに 二 古曾部と能因 三 秋成の目に映る能因 四 村人たちの変化 五 「いぶかしき世のさま」とは何か 第二部 『癇癖談』と大坂騒壇 第一章 物語の変容―『癇癖談』の位置― 一 はじめに 二 三つの序文 三 秋成の『伊勢物語』理解 四 不遇なる者 五 秋成にとっての物語 第二章 『癇癖談』の読者たち 一 「癖」の時代 二 確実なる読者たち 三 読者である可能性のある人々 四 終わりに 第三章 大坂騒壇の中の秋成―秦良と秋成― 一 はじめに 二 『癇癖談』と『当世癡人伝』 三 池永秦良の著作及び活動 四 秦良と『黒珂稿』 五 『諸家人物誌』・『破帋子』と『万匂集』 六 秋成にとっての大坂騒壇 第四章 高安蘆屋をめぐる諸問題―藤井紫影旧蔵『万匂集』を起点として― 一 はじめに 二 高安蘆屋の人となり 三 蘆屋の文藝活動とその周辺 四 秦良・竹窓・『万匂集』 六 終わりに 第五章 「鶉居」と「洛外半狂人」―退隠前後の秋成― 一 はじめに 二 「鶉居」 三 「洛外半狂人」 四 終わりに 第三部 秋成の和歌と和文と 第一章 秋成と江戸歌壇―『天降言』秋成抜粋本をめぐって―(付、翻刻と解題) 一 秋成と江戸歌壇の距離 二 寛政年間の秋成の動向 三 『天降言』秋成抜粋本をめぐる諸問題 第二章 雪岡覚え書き―『筆のさが』周辺― 一 はじめに 二 雪岡・秋成・蘆庵・春海 三 雪岡と千蔭・春海との交流 四 京都と江戸をつなぐ雪岡 五 雪岡の死 第三章 秋成歌集『秋の雲』考―冒頭部における諸問題― 一 はじめに 二 『秋の雲』冒頭部の意味 三 蘆庵への思い 四 秋成と当時の歌壇 五 「秋風」と「秋の雲」 六 村瀬栲亭と秋成 第四章 『藤簍冊子』巻六「こを梅」をめぐって 一 はじめに 二 「こを梅」和文の解釈(一) 三 「こを梅」和文の解釈(二) 四 終わりに 第五章 秋成発句「けふぞたつる中納言どのゝ粥柱」考―正親町三条公則と秋成― 一 中納言とは誰か 二 正親町三条家 三 『文反古』の手紙(一) 四 『文反古』の手紙(二) 五 『文反古』以外の資料から見る交流 六 「中納言」への思い 終わりに―秋成文藝の当代性― 初出一覧 あとがき 索引 |
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