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内村鑑三の世界像 伝統・信仰・詩歌 |
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内村鑑三の世界像
A5判・296頁
ISBN4-8315- ISBN978-4-8315-1567-4
C1021
2020 年発行
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日本近代史上の代表的キリスト者である内村鑑三のおける「ナショナリズム」の源流にある〈伝統思想〉との相克、〈転機〉としての信仰体験の再検討、詩歌を媒介とした思想形成について、内村が読んだテクストの引用に着目し、残された〈書入れ〉の分析をとおして、その実像に内在的に迫ることをめざす。
●目次● 序 章 研究史・視座・方法 一 研究史の概観 二 分析の視座――伝統・信仰・詩歌 三 方法――読み替えと書入れの分析 第一章 若き内村鑑三の思想史的背景――藤田東湖「正気歌」受容を中心に―― 一 『回天詩史』 二 「正気歌」 おわりに 第二章 「内村鑑三不敬事件」再考――低頭への「ためらい」をめぐって―― はじめに 一 問題の所在 二 事件以前の天皇観 三 奉読式出席にあたっての覚悟 四 久原躬弦による「礼拝的低頭」の要請 おわりに 第三章 不敬事件後の危機と再生――「楽園の回復」をめぐって―― はじめに 一 「贖罪信仰への開眼」から不敬事件後の危機と再生まで――書簡史料を中心に 二 「楽園の回復」をめぐって おわりに――「楽園の回復」の意義 第四章 宇宙観の形成と伝統思想―― 『報徳記』の〈翻案〉を手がかりに―― はじめに 一 『報徳記』の〈翻案〉をめぐって 二 「宇宙」と「無教会」 おわりに 第五章 信仰による「人情」の昇華――旧蔵『古今集遠鏡』に見える書入れをめぐって―― はじめに 一 旧蔵『古今集遠鏡』に見える書入れ 二 「古今集擅評」の視点――四季の歌と恋歌をめぐって おわりに 第六章 〈霊魂の不滅〉から〈万物の復興〉へ――「我等は四人である」をめぐって―― はじめに 一 内村とワーズワース 二 「我等は四人である」と WE ARE SEVEN おわりに 第七章 無教会と古義堂――旧蔵『先哲像伝』「伊藤仁斎」に見える書入れを手がかりに―― はじめに 一 儒者への言及と旧蔵『先哲像伝』 二 「大儒伊藤仁斎」をめぐって 三 京都時代の「夢」 おわりに 第八章 贖罪信仰〈再唱〉の背景――旧蔵 The Death of Christ に見える書入れを手がかりに―― はじめに 一 旧蔵 The Death of Christ に見える書入れ 二 中期内村における贖罪論と The Death of Christ おわりに 第九章 キリスト再臨信仰の思想史的意義――南原繁における「再臨運動」の影響をめぐって―― はじめに 一 内村入門と白雨会結成の背景 二 『国家と宗教』に見える再臨思想の継承 おわりに 第十章 人間内村鑑三の片影――聞書き・陶山節子―― はじめに 一 解題 二 聞書き(抄) 終 章 「うめく宇宙」と<二つのJ> あとがき/初出一覧 索引 |
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